壺齋散人の旅
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韓国宮廷料理と民俗劇場:ソウル滞在記その六


夕刻コリアハウスに至る。もと政府の迎賓館たりし施設にして、いまはソウル市当局直営による伝統料理および伝統芸能振興のための施設なり。ここにて韓国の宮廷料理を堪能し、伝統芸能を観賞せんとするなり。

まづ大広間に案内せられて宮廷料理のコースを賞味す。最初につまみと称する前菜及びクジョルパンといふものを出さる。クジョルパンとは、餃子の皮のやうなものに、野菜や肉を挿んで食ふものなり。

ついで肉とキノコのスープ鍋、サザエとアワビの煮もの、エビとホタテの蒸し物、うなぎの焼物、牛肉の煮もの、チジミ数種、松茸、つみれのスープなどを出さる。味頗る淡白なり。ビールを飲み終はりてのちは、韓国産の白ワインを飲みぬ。デザートにはヴァニラアイスクリームを食ひぬ。

金がいふに、かつては宮廷料理を供する料亭はソウル市内に数多くありしが、それらの殆どは廃止せられ、いまや一般の者が宮廷料理を食へるところは、ここを除いて他にはなしと。料亭が何故に廃止せられたるや、その理由を弁ぜず。

食事を終えるや同じ屋根続きに隣接する民俗劇場に案内せらる。客室二百足らずの小さな劇場なり。

普段は韓国伝統の踊りを披露すること多かる由、今夜は韓国風ミュージカルといふべきもの演ぜらる。即ち歌と踊りを以て王朝の悲劇を展開するなり。主演女優の演技と歌謡人をして陶然とせしめたり。

演技終了後ロビーにて俳優たちとの記念撮影会催さる。余らもまた彼らとともに写真に納まる。カメラは今子のものなり。

バスに送られ十時頃ホテルに戻る。付近のコンビニ(セブンイレブン)にて白ワインを買ひ求め、二子と歓談しつつ深更に及ぶ。







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