壺齋散人の旅
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湯布院:九州の旅その一




(2012年12月1日)午後一時半、羽田空子で横・今の二子と待ち合わせ、午後二時二〇分発大分空港行JAL一七八九便に乗り、午後四時過ぎ、大分空港に着陸した。

添乗員に案内され、早速迎えのバスに乗り込む。同乗者は三五人だ。湯布院へ向かう途中、バスガイドの説明を聞くに、いまや九州の温泉で一番の人気は湯布院と黒川温泉とのこと。かつては別府温泉が絶大な人気を誇ったものだが、今や昔日の面影なしという。たしかに別府温泉と言えば、新婚旅行のメッカとして知られ、地獄めぐりや高崎山のお猿が人気を博したものだ。大規模ホテルが多いのが特徴で、関東でいえば熱海温泉のような位置づけだったろう。そういう大規模集客型の温泉地は、バブル崩壊後は苦戦を強いられ、代って、こじんまりとして、個性豊かな温泉地が流行るようになったということだろう。

午後六時頃、湯布院に到着した。今回の投宿先も温泉街の中ではなく、ちょっと離れた高原の一角にあった。七色の風などと気取った名からして、そんなに古いホテルではないらしい。我々が着いた時には既に暗くなっていたが、湯布岳の麓にあって、眺めはなかなかいいそうだ。

浴衣に着替えるとすぐに大風呂に浸かった。結構大きな風呂で、浴場内は湯気が濛々と立ち込め、人の姿がよく弁別できないほどだ。隣接して露天風呂が設けてある。湯は無色透明で、匂いも味もしない。泉質は単純泉とのことだが、何故か女性には人気があるのだという。

夕食はまあまあだったが、これといって特色はなかった。ここらあたりは、豊後牛の産地で、牛肉が御馳走だそうだ。今晩は牛肉のステーキは出てこずに、地鶏の天ぷらが出てきた。

食後、部屋で焼酎を飲みつつ歓談した。歓談と言っても、年をとった男同士の話だから、そんなに色気のある話にはならない。どちらかと言えば、清談というに近い。清談をしつつ焼酎のお湯割りを飲む。そこに人生のひとつの形がある、というわけだ。







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