壺齋散人の旅
HOMEブログ本館日本文化美術批評東京を描く水彩画動物写真プロフィール掲示板



日田散策:九州の旅その四




三日目(12月3日)は、日田の町を散策して後大分空港に戻るというのんびりしたコースだった。それ故出発時間にも余裕があった。そこで、昨夜入らなかった露天風呂にも浸かることにした。まだ夜明け前だったので、暗い中を名残の月を眺めながら湯に浸かった。夜が明けていれば、阿蘇の連山が目前に見えるということだ。

夜明け前の大気は身を切るように冷たい。露天風呂から上がると一気に体が冷える。そこで、内風呂に入って体を温め直してから部屋に戻った次第だ。夜が明けると、窓の外には阿蘇の山並が良く見えた。ここは黒川温泉とは異なって見晴らしがよいので、周囲の山並が一望できるのだ。

八時半にホテルを出発し、一時間ほどバスに乗って日田の町に着いた。ここは徳川時代には天領だったところで、今でもそのことを売り物にしている。九州は外様大名の巣窟ゆえ、日田に派遣された代官は、彼らの動向ににらみを利かせていたということだ。

まず、薫長なる造り酒屋に案内され、何種類かの利き酒をさせてもらった。どの酒も舌がとろけるほど甘い。九州人は甘口が多いのだろうか。

この酒屋の周辺は旧市街地になっていて、クラシックな木造建物が立ち並んでいる。一周しても大した時間はかからない。筆者は二周して、面白そうな店を覗き込んで歩いた。

旧市街地とは川を挟んだ向う側に、徳川時代の城の跡がある。今に残っているのは石垣の残骸だけだ。今年の夏の大雨ではこの川が氾濫し、城の周囲は水浸しになったそうだが、幸いに旧市街地の方は水の害を免れた。最近堤防状の柵を川に沿って設置したばかりだなのだが、それが効を奏したのだ、と地元の年寄りが教えてくれた。

12時半頃、大分空港に着いた。飛行機の出発までは大分間があるというので、空港内の食堂に入って、ビールを飲みながら昼飯を食った。食事をしながら、次はどこに行こうかと、横と今の二子が話し合っている。もし計画が煮詰まったら、是非小生にも声をかけてくれ、と筆者はいった。どうせ毎日が休日だから、暇だけはいくらでも融通できるよと。







HOME壺齋散人の旅次へ










作者:壺齋散人 管理者:えかきあひる  All Rights Reserved (C) 2005