壺齋散人の旅
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肥薩線に乗る:南九州の旅その二




二日目(6月15日)は、早朝6時頃起床して朝風呂を浴び、食事を済ませて後バスに乗り込む手筈だったのだが、このバスが予定時刻を過ぎてもなかなかやって来ない。ガイドが携帯電話で連絡を取ると、どうやら道を間違えたということらしい。地元の、しかもプロの運転手が、名高い観光地の道を間違えるというのもお粗末な話だ。結局バスは予定よりも一時間近く遅れて出発した。そのおかげというのもなんだが、反面いいこともあった。というのは、横、今の二子が財布を部屋の金庫に入れたまま取り忘れていたのを、バスがやってくる寸前に気づいたのだった。予定通りバスが出発していたら、一騒ぎもちあがっていたところだ。

バスは山道を西に向かって走り、一時間余りで曾木の滝に到着した。高低差は少ないものの幅が広いことが見どころで、日本のナイアガラといわれているそうだが、見た限りの印象は、滝というよりも水流の段差といったところだ。ナイアガラとは名前負けもいいところだろう。第一、雨にもかかわらず水の量が少なかったし、コンクリートのちゃちな橋が滝に覆いかぶさるように架っていて甚だ目障りだ。そんなこともあって、日本の名滝百選にも選ばれていないのだという。

ここで運転手が交代した。旅行会社の添乗員が遅刻を怒って、運転手の交代を強く要求したらしい。

正午近く、肥薩線(オレンジ鉄道という由)の阿久根駅に到着す。阿久根とはどこかで聞いた名だと思ったら、数年前に、変り者の市長が次々とスキャンダルめいたことを起こして全国ニュースを賑わせた所だということをガイドの説明で知った。そういえば、そんなこともあったなあ。あれは色々な意味で、某大阪市長の先駆者のような男だった。

駅舎の内外を多数の燕が出入りしている。良く見ると、駅舎の構内にツバメの巣がいくつもあって、そこに親鳥が通っているのだ。今子が巣の数を数えたところ、少なくとも13個はあったというから、燕の出入りが激しいのもうなずかれる。

ここから薩摩高城という駅まで、列車に乗って走った。窓からは東シナ海の風景を眺め渡すことが出来る。途中人魚岩というものがあるので、よく見るようにと添乗員に言われたが、人魚というより猿のような形をした岩が見えた。こんなものに何故人魚などという名をつけたのか。薩摩人は大げさだと見える。

2時近くになってようやく、市来という町にあるレストランに入った。ここでも東坡肉が出て来た。時間が時間なので、適当に空腹状態となり、何を食ってもうまく感じた次第だ。







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