あひるの旅日記
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アヒルたちの台北小紀行その三(国父記念館ほか)



(台北の地下鉄)

十二月十七日(月)この季節台北は雨季にあたるといふも、到着以来この日まで晴天に恵まれたり。

ホテル内にて朝食を喫せし後、八時半頃ホテル近くの地下鉄駅善道寺に至る。前回来たる時には地下鉄などあらざりしが、今は数本の路線ありといふ。初乗り運賃は二十元、日本と異なり切符は硬貨のごとき形状のプラスチック片なり。これを改札機に通してプラットホームに下るなり。

通勤時間帯と見え、車両内大いに混雑す。数分の後、国父記念館にて下車す。国父記念館とは中華民国の創始者孫文を記念する建物なり。蒋介石と異なり、孫文は左右上げて国民の敬愛を受けをるやうにて、記念館の存廃に関する議論は持ち上がらず。いまだ孫文の辛亥革命を以て元号の始まる日となすなり。ちなみに本年は中華民国96年といふ。


(国父記念館孫文像)

庭園内を散策し、台北市庁舎の横を過ぎり101ビルディングの方向に向かふ。路上の様子を伺ふに、東京ほど混雑甚だしからざれど、二輪車の数頗る多く、しかも乱暴運転なり。信号を無視して突進する者を多くみかけたり。四輪車にも乱暴運転するもの多く、青信号を渡る歩行者の列に警笛を鳴らせつつ突進せんとするものもあり。

101ビルディングは高さ508米にて現下世界最高の建物なり。101階あるところから101ビルと命名せられし由。ただ遠目には鉛筆を立てたるようにて形姿優れたりとはいへず。

展望台(値350元)に上り台北の街を一望す。街は周囲を山に囲まれ、盆地なることを納得す。市内には高層の建物立ち並びしが、さして見苦しくもあらず。むしろ落ち着いた雰囲気に見えたり。

101ビルの前よりタクシーに乗りホテルに戻る。行き先をシェラトンといふに意味通ぜず。地図上に示して始めて納得す。台北にてはシーライトンといふなり。

台北のタクシーはみな一様に黄色に塗装せられてあり。日本の如く屋根に看板を戴くことなし。初乗り運賃は20元なり。また台北にはタクシーとともにバスの数頗る多し。公営バスはあらず、すべて民営バスといふ。会社の名を数ふるに、数へ切れぬほどあり。東京にては特定の地域には特定のバスのみ走りをれど、台北は同じ停留所を多くのバス会社が共同利用しをるやうなり。

午前十一時ホテルに戻るに某女迎へに来りてあり。免税店に案内せられ買物などしたる後午下桃園空港に至る。空港内にて台湾蕎麦を喫し、飛行機に乗り込みしは午後三時。成田へは日本時間午後七時に到着せり。







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