あひるの旅日記
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国父記念館:アヒルの台湾旅行その六



(国父記念館)

六月廿二日(月)晴。旅行最終日。空港まで案内してくれるガイドが10時半に迎えに来ると言うので、それまでどこかを散策しようということになった。横ちゃんアヒルと今ちゃんアヒルは散策よりテレビでゴルフの試合を見ていたいと言うので、残りの三羽で出かけた。行き先は国父記念館だ。

松江南京駅から地下鉄に乗り、次の忠孝復興駅で乗り換えたが、どうも間違えて反対方向の電車に乗ってしまった。龍山寺駅で気づいて反対車線の電車に乗り換え、国父記念館駅で下車した。このどたばた騒ぎの中で、面白いことに気づいた。台湾の自動車の車線は日本と反対で右側なのだが、一昨日に乗った新幹線は車両が左側車線を走っていた。そこで、台湾では、自動車は右側、列車は左側と思い込んでいたのだったが、今日改めて地下鉄の車線を見てみると自動車と同じく右側を走っている。ということは、新幹線だけが、左側通行ということになる。これはたぶん、新幹線の車両が日本製のためかもしれない、などとみんなで言い合ったのであった。

国父記念館には9時直前に着いたので、開門と同時に中に入った。エントランスの背後が大きなホールになっていて、そこに孫文の銅像が安置されている。その銅像の前で、衛兵の就任式が行われるのを見た。衛兵たちは白い軍服を着ているから、海軍だとわかる。それにしても台湾の人は、衛兵が好きだな、と思った次第だ。


(孫文像)

ホテルに戻ると、10時半に孫さんというガイドがマイクロバスで迎えに来た。みやげ物店に立ち寄ってから、空港に向かうと言う。今回の旅行では、初日を除いてわずか三日の間に五軒もの土産店に案内される勘定だ。格安ツアーだから文句は言えないが、それにしても多すぎる。今ちゃんアヒルのように気のいいアヒルは、そのたびに散財することになるから、気の毒になるというものだ。

昼ごろ桃園空港に到着した。まず、自動発券機で航空券の交付手続きをしたあと、荷物を出発カウンターに預け、構内の食堂で食事をした。みな台湾そばとビールを注文した。台湾そばは、日本の稲庭うどんに似ている。底の深い大きな器にうどんを盛り付け、それに鶏の脚を乗せて、スープをかけたものを食った。あっさりとした味で、結構うまい。

出国審査の窓口に行くと、すさまじい数の人が、長蛇の列を作っている。自分の番が回ってくるまでどれくらいの時間がかかるか見当もつかない。ガイドの忠告に従って、かなり早く来たので、間に合わないことはないと思うが、時間に余裕がなければ、飛行機に乗りそこなう恐れがある。周りを見渡すと、列を作っているのは中国人と韓国人が多い。これらの国は、日本とは違って、一般庶民まで景気がいいらしい。今の一般日本人は、懐具合が悪いのに加えて円安に追い討ちをかけられ、気軽に海外旅行を楽しむ余裕がない。

飛行機は予定より30分ほど遅れて出航した。乗客のほとんどは台湾人で、日本人の姿はあまり見当たらない。これらの台湾人たちは、豊かな懐を抱えて日本旅行を楽しみに行くのだろう。そういえば、成田から高雄に向かう飛行機の中も、ほとんどが台湾人だった。日本観光から帰国する人や、日本で暮らしながら台湾へ里帰りするといった人々が多かったように思う。

帰路の便はBR196。台湾時間15時40分に桃園空港をテイクオフし、同18時25分(日本時間19時25分)に成田空港にランディングした。







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