あひるの絵本 |
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出雲の散村:あひるたちの日本旅行山陰篇 |
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えかきあひるは、くちばしの色がまだつやつやしていた頃、 出雲地方を旅したことがありました。その時、田園地帯の中に 立っている家が、どれも野中の一軒家のように、はなればなれに なっていることに、強い印象を受けたのでした。これは散村といって、 この地方に特徴的な集落のあり方だということです。 関東地方に育ったえかきあひるにとって、村といえば、 家々が寄り添うように、集まっている光景しか思い浮かばなかったので、 とても驚いたのでした。 出雲大社から松江に向かう途中、再びあの散村があらわれました。 海と山に挟まれた細長い平野にそって、収穫の終わった田んぼが広がり、 その田んぼの合間合間に、家々がはなればなれにたっています。 どの家も、敷地の周囲に、松の木を植えめぐらしています。 この地方は、きびしい北風がよく吹くので、風除けのために、 松の木を植えているのだそうです。 そういえば、風の強い三宅島や八丈島では、 畑全体を松の木の壁で囲んで、作物を守っていたことを思い出します。 バスの窓から、絵にあるような家が見えてきました。 家の周りの畑では、ウサギの夫婦が野良仕事をしていましたが、 あひるたちの乗ったバスをみると、手を振って挨拶してくれました。 おやおや、ウサギさんたちの近くに、変なかっこうをした人が見えますね。 垂れ下がった頭巾をかぶって、大きなずた袋を肩に担いでいます。 もしかして、ダイコクさまではないでしょうか。 やはり、そうでした。ダイコクさまは、出雲地方の守り神ですので、 地域の中をこまめに歩いて、人々の暮らしを見守っているのだそうです。 先日まで大勢いらした全国の神様たちが、みなお帰りになって、 少し暇ができたので、こうやって行脚なさっているのです。 お社にまつられているより、このほうが楽しいそうですよ。 |
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