あひるの絵本 |
HOME|ブログ本館|日本文化|美術批評|東京を描く|水彩画 |動物写真|プロフィール|掲示板 |
鳥取砂丘:あひるたちの日本旅行山陰篇 |
![]() |
三日目の朝、あひるたちを乗せたバスは、鳥取砂丘にやってきました。 鳥取は、因幡の国の海岸です。因幡といえば、そう、 白ウサギのお話が思い浮かびますね。白ウサギは、 ワニたちをだましたおしおきに、ここいらの浜で皮をはがれ、 ひどい目にあっているところを、オオクニヌシノミコトに助けられたのでした。 また、ワダツミの姫君たるトヨタマヒメが、ヤヒロのワニの姿となって、 ウガヤフキアエズノミコトをお生みになったのも、 この辺の浜ではなかったでしょうか。ミコトは、 この国の皇室の先祖であらっしゃる、カムヤマトイワレヒコの父君ですね。 白ウサギのお話といい、トヨタマヒメといい、この国に、 もともとワニは住んでいなかったはずなのに、遠い昔の神話に出てくるのは、 どうしてでしょう。それは、この国の人々の遠い祖先に、 南洋の人々も含まれていて、その人たちが、 故郷の神話を運んできたからですよと、ガイドさんが教えてくれました。 あの、スサノオノミコトに殺されなさった、オオゲツヒメの神話も 南洋起源だそうです。オオゲツヒメといっても、 お尻の大きな姫君という意味ではありません。 大いなるケ(アサゲとか、ユウゲとかいう、あのケです)、 つまり食べ物の神様のことです。死んだ女神の体の各部分から、 いろいろな食べ物が生じたという神話は、南洋に広く 分布しているのだそうです。ちなみに、オオゲツヒメの目からは稲が、 お尻からは豆が、陰所からは麦が、生まれたことになっています。 砂丘は、さまざまな砂紋を描いて、果てしなく広がっています。 先端まで歩いていくと、日本海のとび色の海がよく見えます。 おやおや、ウサギが一匹逃げてきました。そのあとをワニが追いかけてきます。 ふたりはまだ、追いかけっこをしているのですね。 |
![]() HOME|山陰篇|次へ |
作者:えかきあひる All Rights Reserved (C) 2005 |