あひるの旅日記
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有楽苑と如庵:美濃・尾張の旅その五




犬山には犬山城のほかにもうひとつ国宝がある。織田有楽斎の茶室「如庵」だ。もっともこれは犬山城とは違って、犬山本来の財産ではなく、外部から持ち込まれたものだ。

織田有楽斎は晩年を京都で過ごし、元和四年、建仁寺境内に茶室を建てた。それが如庵である。如庵という名は有楽斎の洗礼名「ジョアン」から来ているという。浅学な筆者は、有楽斎がキリシタンであったことを知らなかったので、これはひとつの驚きだった。

如庵は明治六年に民間に払い下げられ、三井本家の手を経て、昭和四十七年に名鉄に買い上げられて現在地に移築された。名鉄の社長某は、ほかに有楽斎ゆかりの建物を犬山に集めてそれを有楽苑と命名し、一般に公開したのだった。なお、如庵は昭和二十六年に国宝指定された。

ともあれ織田有楽斎は尾張の偉人であるから、有楽斎ゆかりの建物群が、建設の経緯は別において、尾張の地にあるのは相応しいともいえる。

その有楽苑は名鉄ホテルを含む広大な敷地の一角にある。筆者らは閑散とした園内を逍遥し、如庵に至った。そこでは抹茶を振る舞われたが、茶室の内部に立ち入ることはできなかった。事前に予約しておかねばならぬというのだ。

その夜は名鉄犬山ホテルに泊まった。昨晩とは異なり本格的なホテルだった。風呂は大規模で露天風呂もついている。打たせ湯を肩に受けると、肩こりが治るような気がする。筆者は夕食前と就寝前の二度にわたって入浴をした。おかげでぐっすりと寝ることができた。







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