あひるの旅日記
HOMEブログ本館日本文化美術批評東京を描く水彩画動物写真プロフィール掲示板



あひるたちの九州旅行




かつてあひるの仲間と由布院に一泊旅行をしたことがあった。たしか十九年前のことだ。いつもの通りシズちゃんあひるが企画したのだったが、そのシズちゃんあひるが脚を骨折して急遽行けなくなり、残りのあひる(たしか十羽だったと思う)がガイド役なしに出かけたのだった。そのせいか、この旅行は惨憺たる記憶をあひるたちに残したのだった。由布院温泉に来たつもりが、泊まった施設は郊外の丘の上にあるリゾートマンションで、あひるたちは2DKの部屋にそれぞれ二羽ずつあてがわれ、食事は一階のエントランスホールで仕出し弁当を振る舞われた。それはまあ我慢できたが、ひどいのは入浴施設がないことだった。それであひるたちは、外湯に浸かりに行ったのだったが、その湯というのがマンションから一丁ほど離れた畑の中にあって、五右衛門風呂に毛の生えたような小さな湯船に粗末な脱衣場が付属しただけの、どう見ても温泉とは言えない代物だった。今ちゃんあひるなどは、立派な門構えの民家を入浴施設と勘違いして、家の中にすたこらと入りこんで居住者を驚かした始末だった。

そんなわけでこの旅行は、アヒルたちにとってトラウマのようなものとなり、毎年の宴会のたびに賑やかな話題を提供することとなった。シズちゃんあひるとしては、これを非常に遺憾に思って、別の機会に名誉回復をしたいと思っていたそうだが、その機会が十九年ぶりにやってきた。あれから十九年後の今年、シズちゃんあひるが音頭をとって、あひるたちを本物の由布院温泉に連れて行ってくれた、というわけである。出発は十一月八日、参加したのはシズちゃんあひるのほか、オーさんあひる、少尉あひる、横ちゃんあひる、アンちゃんあひる、今ちゃんあひる、それに絵かきあひること小生の、合わせて七羽である。



あひるたちの九州旅行その一:由布院の湯に浸かる
あひるたちの九州旅行その二:吉野ヶ里遺跡に学ぶ
あひるたちの九州旅行その三:ハウステンボスに遊ぶ
あひるたちの九州旅行その四:長崎に過る





HOMEあひるの旅










作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2013-2015
このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである